日本屈指の名湯・玉川温泉。新玉川温泉は玉川温泉と同じ源泉から温泉を引いた姉妹館です。
強酸性の濃い~泉質で知られ、湯治場としても有名です。
いつか行きたい…そんな思いを抱いて数年。新玉川温泉への一人旅が叶い、いざ秋田へ!!

療養のために滞在されている方もいます。
玉川温泉は長期~中期滞在向け、新玉川温泉は短期~中期滞在向けです

新玉川温泉は2018年にリニューアルされて、とってもキレイでした♪
この記事では、実際に宿泊して体験したことを元に、新玉川温泉の隅々までご紹介します。
※2020年冬季の情報です。春季~秋季と冬季ではアクセス方法、施設情報など違う点がありますのでご注意ください。
■新玉川温泉に宿泊する予定のある人
■新玉川温泉での過ごし方を知りたい人
■冬季の新玉川温泉へのアクセス方法が知りたい人
■新玉川温泉の泉質を詳しく知りたい人
新玉川温泉へのアクセス(冬季)
冬の新玉川温泉へのアクセスは要注意。
冬季(12月~4月下旬)は国道341号線が積雪のため一般車両通行止めになります。JR田沢湖駅から路線バスでしか、新玉川温泉に行くことはできません。
新玉川温泉に到着
JR田沢湖駅11:15発の路線バスに乗り、新玉川温泉に12:19に到着しました。
検温とアルコール消毒を入口で行い、ロビーに入ります。
宿泊客はみんな同じ路線バスで一斉に到着するので、入口でチェックイン順の整理券を頂きました。
チェックインを待っていると、係の方がホットりんごジュースを配ってくれました。
ぽかぽか体が温まるし、美味しい~!!
営業時間12:00~13:30(13:00ラストオーダー)
※路線バスの最終便(13:39着)を利用する際はお昼の営業終了していますので、ご注意ください。
チェックイン
チェックイン手続きをして鍵を受け取ります。屋内岩盤浴は予約制のため、フロント横に設けられた予約カウンターで予約を入れました。以前はフリータイムもあったけど、感染症対策のためすべて予約制だそうです。

屋内岩盤浴については記事の中で詳しく紹介します
シングルルーム
客室内と備品
新玉川温泉はA館からD館まであり、客室数は190を超えるとても大きな宿泊施設です。
私は一人旅なので、A館の洋室シングルルームに宿泊。シティホテルの一室かと思うほどオシャレで清潔でした。
化粧水や乳液の備え付けはないので、女性の方は予め持参することをおすすめします。
お茶とお菓子
お菓子は秋田銘菓「はたはたパイ」
味付けに「塩汁」(しょっつる)を使用しているパイだそう。売店にも売ってました。
※日によって違うかもしれません!
温泉地のお部屋にあるお菓子ってご当地感あっていいですよね。
新玉川温泉の入浴法が書かれた「入浴のしおり」
お部屋には「入浴のしおり」なるものが…!
新玉川温泉は、強酸性の刺激が強い温泉なので正しく入浴することが大切です。浴槽ごとの特徴も詳細に記載されていました。この「入浴のしおり」、とっても勉強になる…
大浴場へ行く前に、読み込むことをおすすめします。
いざ大浴場へ!
温泉成分をチェック
チェックインをしたのは12:30頃でしたが、大浴場は朝4:00から24時までの時間帯いつでも入浴OK!脱衣所には「温泉分析書」が掲示されていました。
新玉川温泉の温泉成分はこちらの記事で詳しく書いておりますのでぜひご覧ください。

大浴場の浴槽はすべて青森ヒバで造られているそうです。青森ヒバは湿気の強いところでも腐りにくい耐久性があるとのこと。大浴場に入った瞬間、まったく先が見通せないくらい湯気が立ち込めていて幻想的でした。
かけ湯
まずはしっかりかけ湯をします!
かけ湯のお湯は真水を温めたもの。しゃがんでしっかり体にかける!
弱酸性の湯
事前に読んだ「入浴のしおり」の入浴順にしたがって、「弱酸性の湯」に入りました。
「弱酸性の湯」は源泉1%弱濃度。40℃前後のほどよい温度で普通に気持ちいいです。
特に肌への刺激を感じることなく、ゆったり入りました。
源泉50%の湯
続いて、源泉50%の浴槽へ!あつい湯44℃、適温42℃、ぬるい湯39℃、気泡湯39℃前後と4種類の浴槽があります。こちらもじんわり温まる…
最初に入った感じとしては、「聞いてたほどピリピリ感じることはないなぁ」と思いました。
その後におとずれる刺激と痛みを知らずに…
源泉100%の湯
いよいよpH1.2の強酸性、源泉100%の浴槽へ。温度は39℃とぬるめです。
源泉100%、いよいよか…と入ってみたところ
「うん、普通に気持いい」
「ぜんぜん痛くないし、みんな大げさに言ってたんだな」
と思いました。
ところが2分後くらいに肌がピリピリ…
「んん??」と思っているうちに自分でも気づかなかったような小さな傷口にめっちゃしみてきた…!全身小さい針で刺されているような刺激が…!!これが源泉100%の強さ…
長く入っていられず、さっと上がりました。
箱蒸し湯

箱蒸し湯は、床下を流れる源泉100%の温泉から出る蒸気を使ったサウナです。
ドキドキしながら箱のふたを開けると椅子があり、腰かけたら箱のふたを内側から閉めます。すると、箱からは首だけ出した状態になります。見た目は拷問の一種のようなのですが、箱の中は蒸気が全身を包んで蒸されている感じ…気持ちいい~
すき間から出る蒸気をゆっくり吸って、吐いて。口から蒸気を吸い込む蒸気吸入は、気管支炎や風邪、喘息などに効果があるそうです。
浸頭湯(しんとうゆ)源泉50%
浸頭湯は1人ずつしか利用できません。
頭を奥にして寝っ転がると、身体の半分がちょうどいい感じに温泉に浸かった状態になります。
特に後頭部は温泉がじんわり温かく、ヘッドスパのような心地よい気分…
ただ、狭い場所に閉じ込められたような感覚になるので閉所恐怖症の方はやめておいたほうがいいかも…??
飲泉
大浴場内には「飲泉」できる場所があります。蛇口は2つあり、ひとつは源泉50%の湯、もうひとつは真水です。プラスチックコップに源泉50%の湯を少し入れて、38倍にして薄めます。
「こんなに薄めて効果あるのか?」と思いましたが、こんなに薄めてもめっちゃ酸っぱかった!!
さすが、レモンより酸性度が高いだけあります…
源泉のまま飲んだら体が溶けるんじゃないか??(笑)
露天風呂・源泉35%
露天風呂は、源泉35%の湯です。冬は雪見風呂が楽しめる開放的な浴槽。
姉妹館の玉川温泉は内風呂のみなので、露天風呂が楽しめるのは新玉川温泉のみとのこと。
42℃前後の温度なので、冷たい風を感じながらじっくり入ることができました。
その他バラエティ豊かな浴槽
歩行湯(源泉50%)や打たせ湯(源泉50%)、すわり湯(50%)など計14種類の浴槽があり、体調に合わせて入浴しました。温泉成分の濃さからか、今まで入ったどの温泉よりも、体力使った感じ。
刺激の強いお湯なので、皮膚のうすい場所や小さなひっかき傷にピリピリと滲みました。

私は2回目、3回目と回を追うごとに乳首が痛くなってきました…肌の弱い方は無理せず弱酸性湯や源泉濃度の低いぬる湯を利用しましょうね。

最後はしっかり「かけ湯」をしてから上がります。「温泉成分を流したくない!」と思う方もいるかもしれませんが、新玉川温泉は刺激が強いので、湯ただれを起こさないために入浴後の「かけ湯」が必須です!
屋内岩盤浴
さて、少し休憩をはさんだ後、予約していた屋内岩盤浴へ行きました。
中に入ると少し狭い脱衣所があり、汗をかいてもよいジャージやスウェットに着替えます。適当な上下の服がない場合は、フロントで作務衣とバスタオルのレンタルOK(有料600円)
着替えが済んだら、消毒済みのゴザを一枚もって岩盤浴内に入室。予約していた番号の場所にゴザを敷いて寝転び、熱を逃がさないよう、バスタオルで体を覆います。

場所によって岩盤の温度が違うそうです。1番熱いところで約50℃!屋内岩盤浴を予約する際に、どの場所が良いかを選びます。
低温火傷をしないよう、適度に寝返りをうって、お腹を温めたり、ゴロゴロ。じんわり汗ばんできました。サウナのような高温ではないので、息苦しさはなくあっという間に50分経ちました。
夕食は秋田名物満載のバイキング
夕食はバイキング形式です。
入店前に消毒し、座席カードをもらいます。バイキング料理を取る際は必ずビニール手袋とマスク着用。専用トングを使いたい方は係の方に申し出れば借りることができます。
感染症対策のため、スタッフの方が定期的に窓を開けて換気を行っていました。「寒い中申し訳ございません」というアナウンスがありましたが、宿泊者としてはとても安心です。スタッフの方も気苦労が絶えないと思いますが、細やかな対応に、感謝の気持ちでいっぱいになりました。
バイキングメニューは、秋田の名物きりたんぽ、稲庭うどん、いぶりがっこなど。
ドリンクコーナー(有料)ではビールの他、秋田の地酒をたくさん置いていました。
朝食も同じ会場でバイキング形式です。
館内イベント
新玉川温泉では日ごとに異なるミニイベントを開催していました。
豆つかみ競争や健康体操などなど。新玉川温泉は周りにも館内にも娯楽施設はないので、子供連れの場合はもちろん、一人旅でもちょっとした息抜きに楽しめます。
私は「入浴説明会」に参加してみました。所要時間約15分。スタッフの方がスクリーンを使いながら新玉川温泉の泉質や入浴法を解説してくれます。
なかでも、源泉100%の湯に漬けおくと24時間後には刃が溶けてなくなった包丁が、印象的でした。玉川温泉の強~い酸性度がわかります。群馬県の草津温泉も酸性泉(ph2.1)として有名ですが、それを上回る酸性度です。
売店
フロント横には売店があります。
こじんまりしてるけど秋田の名物はなんでも揃います。きりたんぽセットにいぶりがっこ等。
秋田出身の菅首相がプリントされた「スガちゃん瓦割りせんべい」も売っていました。
チェックアウト~出発まで
チェックアウトは10時です。
JR田沢湖駅までの路線バスは朝9:35発、11:10発、12:30発、13:55発(最終)の4便。予約は必要ありません。人数に応じてバスの台数を調整しているようで、満席で座れないということはなかったです。
私は新玉川温泉11:10発→JR田沢湖駅12:14着の路線バスに乗車することに。
お部屋の利用が10:00までのため、1時間ほどロビーで待つことに。売店で温かいコーヒーを買って、まったりしていました。
ホテルの入口前には大きな「かまくら」や、ちょっとしたそり遊びを楽しめる場所もありました。
新玉川温泉を満喫した一人旅
念願の新玉川温泉。その泉質は他の温泉とは一線を画すものでした。
気楽に温泉を楽しむというよりは、じっくりお湯と自身の身体に向き合う場所という感じです。
新玉川温泉は玉川温泉よりも一般向きであるとはいえ、療養のため長期滞在している方への配慮も大切。刺激の強い温泉なので、長くゆっくり温泉に浸かりたい方には不向きかもしれません。
正しい入浴法を、自分のペースで繰り返すことで自己免疫力を上げていく。一人旅だからこそ、新玉川温泉を思う存分満喫することができました。
今度訪れる際は、春以降に計画を立てて、大噴(おおぶき)源泉を見て自然の力を感じたいなぁと思っています。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!